シックハウスについて

シックハウス症候群とは

シックハウス症候群とは『住宅に由来する室内空気汚染などによる健康障害の総称』

・シックハウス症候群は様々な要因が重なって起こると考えられています。
・症状も多様で病状の発生原因も未解明な点が多いため「病気」ではなく「症候群」と呼ばれています。
化学物質やハウスダストが高濃度の空間に長期間生活していると健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。
・特に幼い乳幼児は、有害物質の影響を受けやすいといわれています。


(シックハウス症候群の発生原因)
・新築やリフォームで使用する建築建材から揮発する化学物質による室内空気汚染での健康への影響。
・その他家具や日常生活用品、日常生活から揮発する化学物質による室内空気汚染での健康への影響。
・その他ダニやカビなどの生物的要因による影響も含む。

(シックハウス症候群の特徴)
・原因が多種多様。(発症の原因物質が特定の一種類か多種類か、状況により様々である)
・個人差が大きい。(同一環境で生活していても症状が現れる人と全く症状が出ない人もいる)
建物から離れると症状が和らぐ(原因の建物から離れるとシックハウスの症状が和らぐ)

(シックハウス症候群の症状の一例)
・頭痛.めまい.眠気.集中力や記憶力の低下。
・目の痛み.かゆみ.充血.涙が止まらない.目がチカチカする。
・鼻水.鼻づまり.鼻血.くしゃみ.ニオイに敏感になる。
・喘息.のどの痛み.せき.口の渇き。
・吐き気.食欲不振.疲れやすい。
・耳鳴り.平衡感覚の異常。
・皮膚の紅斑.湿疹.じんましん.肌荒れ.かゆみ
・不定愁訴といわれるような本人にしか自覚できない症状が多い。
・自律神経失調症や更年期障害.風邪.花粉症.精神疾患などと間違われることもよくある。

*はっきりとした症状を示さなかったり次々と症状が移行していくことが多い。
*なんとなく調子が悪いと思ってもそれがシックハウス症候群だと本人も気付けないことがよくある。


シックハウス症候群に関係する主な空気汚染源

(建築建材から放散する室内空気の汚染源)
建築建材製造段階の接着剤
・工事施工段階の接着剤.溶剤等

(家具.その他から放散する揮発性有機化合物)
・家具など製造段階の接着剤・溶剤等
・日常生活用品(消臭剤.殺虫剤.化粧品等)

(日常生活の室内空気の汚染源)
・二酸化炭素(呼吸および調理器具ならびに石油ストーブ等の開放型暖房器具からの燃焼生成物)
・生物的要因(ダニ.カビ.ゴキブリアレルゲン.ペットのフケ.花粉等)
・ハウスダスト(浮遊粉塵・ほこり)
・その他(たばこ等)


シックハウス症候群の対策について

(原因の特定)
・室内空気質の測定→シックハウス診断(原因の特定)→該当物の特定(建材.家具.日用品.その他要因)

(原因の除去等)
・原因(建材や家具など除去可能物)→除去(建材の場合は原因建材除去+復旧の改修工事)
・原因(生物的要因やハウスダスト)→除去(清掃などによるダニ.カビ.ハウスダストの除去)

(室内空気環境の改善措置の一例)
・酸素の供給.室内で発生する汚染物質の除去(a.b.c)
・湿度を下げる(a.b)
・ダニ.カビ.ハウスダストの除去(a.b.c)
・脱臭(c)
a.換気設備や空気清浄機の設置 →(換気設備および空気清浄機の設置の検討)
b.燃焼生成物排出器具の見直し →(ガスコンロ.開放型暖房器具の改善対応商品への取替検討)
c.吸着剤・調湿材などの使用  →(汚染物質の吸着や湿気の除去.軽減に有効な商品の設置の検討)

(シックライフという考え方)
シックハウス症候群の主な原因は建築建材から揮発される有害化学物質と考えられていますが、建材以外にも家具や日常生活用品および冷暖房器具等から放散される化学物質、その他ダニ.カビなどの生物的要因や換気不足や掃除の方法によるハウスダストなどの要因が複合的に絡み合っており原因は多種多様になります。
現在の生活では化学物質はに非常に身近なものであり生活環境から完全に除くことが困難なため、化学物質と上手につきあう工夫をして住宅だけではなく生活習慣や生活スタイルも含めて対策を講じる必要があります。


建築基準法に基づくシックハウス対策について

・建築基準法改正により2003年7月1日以降の着工建築物はシックハウス対策の規制を適用されています。
(同年6月以前に確認済証の交付を受けたものを含む)


シックハウス対策に係る規制の概要

(シックハウス対策の規制を受ける化学物質)
・クロルピリホス及びホルムアルデヒド(令第20条の5)
(クロルピリホスに関する規制)
・居室を有する建築物にはクロルピリホスを添加した建築材料の使用禁止。(令第20条の6)
(ホルムアルデヒドに関する規制)
・内装仕上げの制限:内装仕上げに使用するホルムアルデヒド発散建築材料の面積制限。(令第20条の7)
・換気設備の義務付:居室を有する全ての建築物に機械換気設備の設置が原則義務付け。(令第20 条の8)
・天井裏等の制限 :ホルムアルデヒドの発散の少ない建築材料下地または天井裏等も換気できる構造とする。
(平成15年国土交通省告示第274号第1第三号)

共通事項
・本規制の対象となる建築材料は、平成14年国土交通省告示第1113号、第1114号及び第1115号で限定列挙した建築材料(以下「告示対象建築材料」といいます。)のみ。
・告示対象建築材料を使用した造り付けの家具、キッチン・キャビネット等の製品も本規制の対象。
・告示対象建築材料で、F☆☆☆☆等級のものは「規制対象外建築材料」なので、居室の内装の仕上げや天井裏等に本規制を受けることなく用いることができる。
・告示対象建築材料以外の建築材料については、ホルムアルデヒドの発散がほとんど認められないことから居室の内装の仕上げや天井裏等に、本規制を受けることなく用いることができる。


シックハウス症候群と化学物質過敏症の主な相違点

(シックハウス症候群)・・・建築分野で対応
・原因が住宅に由来する。
・症状を引き起こす有害な化学物質については化学物質過敏症よりも高い濃度で発症する。
・広義的な意味合いの場合、有害な化学物質のみが原因でなく室内環境における生物的要因も含まれる。
・シックハウス症候群の問題となる室内を離れると症状が軽快する。

(化学物質過敏症) ・・・・医療分野で対応
・原因が化学物質に限定される。
・シックハウス症候群にかかる化学物質濃度よりもさらに低い濃度によって発症する。
・シックハウス症候群が問題となる住宅を離れても、その後様々な化学物質に反応するようになる。